DPCデータの分析とかやるブログ

DPCデータの分析なんかをテキトーにやってます。

エクセルは事務職の生産性を本当に上げたのか?

事務職の生産性を上げるために

えー、歴史を鑑みると、近代というのは機械化の時代です。
人間は逆立ちしてもトラクターには勝てませんし、馬ではトラックと競争出来ません。
事務職にとってコンピュータは、運送業におけるトラックと同じくらい大きな意味があります。
トラックは運送業の生産性を飛躍させました。 コンピュータも、同じように事務職の生産性を…うーん、あれ、あんまり上がってないような…

神エクセル問題

エクセルを使うと、まずいことに紙の書類をそのまんま再現出来てしまいます。
これはエクセルというツールの功罪です。紙の書類をディスプレイで再現する時、我々はコンピュータを「消しゴムの要らない紙」として使っているのです。

消しゴムの要らない紙は、確かに便利ですが、生産性を上げることはありません。

そして本来なら、それはワードの仕事でした。ワードが「紙の代替品」として余りにも非力なため、何故かエクセルで方眼紙を作る羽目になっていますが、本来エクセルは表計算ツールです!

エクセルの功罪

マイクロソフトは「機能を削る」ことをしない会社です。
そのため、エクセルはユーザーの要求のまま肥大化を重ね、ほとんど何でも出来る万能ツールになってしまいました。
一見いいことに見えますよね?
ですが、平凡なドライバーにはマニュアル車よりオートマ車の方が安全なように、機能を削ったほうが「正しく」使える道具というのは存外多いものです。

例えば、セルの結合を使うと、見た目は綺麗な表が出来上がりますが、データの再利用は困難になります。ちょっと考えてみて下さい。
エクセルは表計算ツールです。データの再利用を困難にしたら、これは一体何のためのツールなんでしょうか?
エクセルの落とし穴は、表計算ツールなのに、体裁を整える機能がやたらと多い点に尽きるでしょう。

データと見た目は分割すべき

理想的なツールは恐らく、データの保存部分と表の整形部分が完全に分割されたものです。
これなら上記の問題は無くなります。
ウェブサイトは正にそういう構造をしていて、データはDBに、デザインはHTML/CSSに、と完全に分割されていますね。
サイトデザインに致命的な変更を行って、大失敗に終わったとしても、DBのデータが消し飛んだりはしません。
ですが、エクセルではそんなことが日常茶飯事です。これはとんでもない欠陥です。

これからは、事務職も生産性を上げることが求められるでしょう。
その手段は、ほぼ間違いなくスクリプトによる自動化です。
しかし、紙の書類を再現したエクセルは、自動化を大いに妨げてしまいます。
「元データを保存するシート」「見た目をいじるシート」のように完全に分離して作ると、大分マシにはなるんですが…